リカラットSHOPが変えること、変えないこと、変えたこと

はじめに

株式会社RECARAT 代表取締役社長 小山慶一郎 でございます。

この度は皆様に不安な思いをお掛けし、誠に申し訳ございませんでした。また従業員のお客様への態度に、不適切な部分があったこともこの場を借りて改めて陳謝いたします。そして、何より私自身が未熟で努力不足であったことを深くお詫びいたします。

もともと「宝石」という不透明な業界を「透明で公平にしよう」と始めたリカラット社ですが、弊社自身に不透明な点が多かったということに気づかされ、深く反省しております。

まず、今回多くの方々からご指摘いただいた点を中心に、現在のSHOP販売において基準が曖昧だったり誤解を与えかねないと判断した点を抜本的に変更いたします。この変更は、今後の出品分だけでなく、現在出品している全ての商品に対して本日より行ってまいります。そのため新規出品はしばらくお休みをさせていただきます。リカラットSHOPの更新をお待ちくださっているお客様方にはご迷惑をお掛けしますが、何卒ご理解下さいますようお願い申し上げます。

一方でこれまでリカラットSHOPをご利用くださった方で、

  • 自分が買ったものは「怪しい」商品なのか?
  • リカラットの商品を買うと「騙されて」しまうのか?

ご不安になられているお客様も多いのではないかと思います。そしてこれに対して誠心誠意お答えすることは、リカラット社の代表として最も重要な責務だと認識しております。

結論から先に申し上げますと、私は1人の宝石鑑定士として「怪しい」と少しでも感じた商品はこれまで一切販売しことはありません。例えば石の真贋や処理や産地など、宝石鑑定士として責任をもってお伝えすべき情報に関しては、提携の鑑別機関を交えて二重三重のチェックを経て販売しております。

これはリカラットSHOPの開店当初から一切譲らなかった点です。

一方で私の最大の反省は、このような「変えないこと」、すなわち自社に対する情報発信があまりに粗く、甘かったということです。弊社が一体どのような企業でどのようなことを大事に取り組んでいるのかに対する報告や説明が、全く十分ではありませんでした。

また今まで事業を行う上で、多くのことを試し、多くのことを変更して来ましたが、「何を変更したのか」への発言不足が原因で、お客様に余計な不安や不信感を与えてしまっておりました。

どこまでそのような不信感を払拭できるかは分かりませんが、一つ一つ自分自身の言葉で正直にお伝えしようと思います。

長文ではございますが、どうぞお目通しいただければ幸いです。

 

リカラットSHOPが変えること

クラリティの記載の取り止め

宝石に詳しい方はご存知かと思いますが、ダイヤモンドと違って色石のクラリティ(透明度、インクルージョンの多寡)には世界統一の基準がありません。

一方で色石の卸市場ではそれでは不便だということで、「この石はエメラルドにしてはインクルージョンが少ない」「この石はパライバトルマリンの中でもさらにインクルージョンが多い」くらいの「業者間で共通の相対的な感覚値」として『クラリティ』という言葉が使われています。

リカラットSHOPでこれまで表示してきた色石の『クラリティ』は、これに基づいて記載していたものでした。

色石の卸市場は極めて狭いクローズドな市場なので、この「感覚値」で話が通じました。一方、現在のリカラットSHOPには日々多くのお客様が来てくださる中で、宝石に詳しい方も詳しくない方もいらっしゃいますし、これまでのリカラットSHOPをご存知の方も、そうでない方もいらっしゃいます。

そのため、今のこの『クラリティ』という言葉を使い続けることは誤解のもとであり、トラブルのもとであると判断しました。

そのためクラリティという項目をリカラットSHOPから削除致します。

その代わりとして、今後はこれまで以上に写真をあらゆる角度から複数枚掲載することで、石の特徴がより客観的に伝わるよう努めます。ただし、明確な基準が存在するダイヤモンドに関しては、GIAの資格を持った宝石鑑定士がクラリティを鑑定し、記載いたします。

中長期的には「色石のクラリティ」というところについて、これまでの販売実績と豊富な写真をもとに、一般の方にその「基準」を分かりやすくご説明したいと強く思っています。これについては一朝一夕に作成できるものではありませんが、全社をあげて取り組んで行きたいと思っております。

 

新品/中古品の記載について

リカラットSHOPで現在取り扱っている製品(ルースを除く)は、基本的にジュエリー製造メーカーから直接仕入れているものです。そのためリカラットSHOPで扱う指輪やペンダントは全て「新品」です。一部、リカラットがオリジナルで製作したものもございます。

リカラットSHOPを開店した当初に、試験的に「中古品」を販売したことはあるのですが、どうしても古いデザインのものが多く、数品を出品したのみで現在では取扱いを停止しております。

なお弊社にはリカラットNOWという買取のアプリもございますが、ここで買い取った品をリカラットSHOPで販売することはありません。買い取り品は全て国内外の専門の業者に売却しています。

これまではこの「中古品は販売していない」という宣言が不明確でしたが、これを改め新品は新品である旨を明記いたします。また今現在は取扱いがありませんが、アンティークなどの中古品の取扱いを開始する場合には、必ずその旨を告知いたします。

一方ルースは「新品か中古か」の表記を非常にしにくい商品です。多くの石は何億年も前に地球に誕生し、何百年、何千年前に採掘され、一度カットが施された後はその姿のままグルグルと市場に流通し続けます。その意味でこの世のほとんどの石は「中古」であり、鉱山から直接採掘されカットされたような「新品」の石は今ではむしろ僅かです。このためルースに関しては基本的には「新品/中古品」の記載をいたしませんが、例えば自社で指輪を仕入れてそこから石だけを外して販売する場合など、出所が明確な場合には例外的に「外し石」である旨を必ず記載するようにいたします。

 

キズ/カケ/インクルージョンの記載について

天然石という商品の特性上、キズ、カケ、インクルージョン(内包物)が必ず含まれます。リカラットSHOPでは出来るだけ誠実にこの情報が伝わるよう、例えば最近では写真を360度撮るなどの工夫をして来ました。

一方で商品の説明文に対しては、その表記ルールやチェックフローが曖昧で、個々の出品担当の感性で情報が記載されていました。

今後、説明文に関しては社内に1人「編集責任者」をおき、その者が全ての説明文に対して責任を持つような体制を構築することで、「個々人のバラバラな感性で説明文が書かれてしまう」という事態を改善したいと考えております。

加えて、石の種類によってはキズやカケが今無くとも、例えば乾燥に弱かったり高温に弱かったりと環境によって変化が発生してしまう石がございます。今後のリカラットSHOPの説明文に関しては、このような石ごとの注意点も含めて宝石鑑定士と確認し、お伝えするようにいたします。

将来的には社内で石別のマスターストーンを揃えるなど、人数が増えても「どの基準と比べて、キズ/カケ/インクルージョンが多いのか(少ないのか)」を統一基準で全ての者が説明できるような仕組みの構築に努めます。

 

刻印について

指輪やペンダントの様な「製品」の場合、「刻印」というものに地金の種類と石目(石の重量)の情報が記載されています。

天然石を扱う以上、同じメーカーの同じシリーズであっても、個々の製品によって石目が微妙に異なることはよくあります。この石目の違いは実際にその製品を作り上げた現場の職人だけが知っているものであり、通常はその情報が「刻印」という形で伝達されます。

もちろん結婚指輪のように、もともとルースの状態であらかじめ石目が測られ、そこから1つ1つ作られるタイプの製品もありますが、業界全体ではむしろ少数です。

このためメーカーもリカラットSHOPもこの「刻印」を読み取ることで、お客様に石目をお伝えしています。

ところが刻印の打刻方法は職人によってバラバラであり、業界特有の書き方も多く、一般の方には意味が分かりにくい場合が多々あります。

これまでリカラットSHOPではこの「刻印」についての記載方法に統一のルールがありませんでした。例えば図のように「D065」という刻印は「ダイヤモンドが0.65カラットである」ことを示しますが、これを商品ページにそのまま「D065」と記載するか、分かりやすく「0.65」と記載するかは個々の担当者の判断でした。また石目を刻印から読み取っているという情報自体、お伝えしきれていませんでした。

つきましては、こちらについても変更すべき点であると判断し、

  • 石の重量は石の種類ごとに記載する
  • 石の重量が刻印に無い場合には「不明」である旨を記載する
  • 複数の石を組み合わせたマルチストーンなど一部の石の重量しか打刻されていない場合、その旨を注意欄に記載する
  • 「刻印」という項目は情報が重複しているため削除する

以上の4点をルール化いたします。

 

リカラットSHOPが変えないこと

リカラットSHOPは、全ての商品を宝石鑑定士が鑑別し、全ての商品に鑑別書をつけて販売する小売店です。

ここに関しては2018年8月の開店当初から徹底して変えなかった部分であり、また今後も決して変えないことをお約束いたします。

鑑別」というのは、一般の方には馴染みが薄いかもしれませんが、専門の機材を使って石の特性や成分を科学的に調べ、石の真贋を明らかにする行為です。

真贋だけではなく、「産地」や「処理」の表記に関しても明確なルールがあります。リカラットSHOPは必ずそれに従っています。

例えば産地に関しては科学的に産地の証明ができる石がありますので、専門機材で必ず調べてから記載をするように徹底をしています。自社で調べ切れない場合や判断が難しい場合には、提携の鑑別機関と連携がとれる体制を整えております。産地証明ができない石は、産地について言及しません。

またリカラットSHOPは基本的に天然石のみを取り扱うため、例えば人工的につくられた合成石の場合は「合成石」と必ず明記するようルール化しています。何も表記が無い場合、それは必ず天然石です。その上で「加熱」「拡散」「含浸」といった各種処理はAGL(宝石鑑別団体協議会)の基準を遵守し、全商品に付属させている鑑別書に必ず明記しています。

以上の「真贋」「産地」「処理」という3点は、少なくともリカラットSHOPが今後も絶対に「変えない」と強くお約束するポイントです。

なお蛇足かもしれませんが、このように「鑑別」を全商品に対して行うことを強く義務付けているため、他社に比べてリカラットSHOPは元々「高コスト体質」と言わざるを得ません。この中で仕入れを工夫し、オペレーションを効率化し、「どこまで安価に商品をお客様に提供できるか」は、弊社にとっての大きなチャレンジだと考えております。

 

リカラットSHOPが変えたこと

冒頭に記載しましたように、リカラット社はスピード感を大切に、多くの物事を試し、多くの物事を変えてきました。一方で、その内容や背景についての説明が足りておらず、お客様に不安を抱かせてしまったかと思います。

特に大きかったと思われる過去の3つの変更について、改めて私の口からご説明致します。

市場価格について

もともとリカラットSHOPに掲載されていた商品には、「市場価格」という欄がありました。鑑定士がショッピングサイトやオークションサイトなどを見て「同じサイズ、同じ品質だったらだいたいどれくらいの価格で売られているか」をチェックし、そこから商品の販売価格を決めていました。

お客様にも分かりやすいと好評ではあったのですが、2019年に入り、急激にリカラットSHOPを見られるお客様が増加し、この市場価格について個別のお問い合わせにお答えするのが難しくなってしまいました。

もともと自社の販売価格を決めるために、その販売のタイミングで、インターネットでの他社様の販売価格を「参考値」として調べていただけで、一時的なセールやアウトレットまで継続的に追うようなことはできていませんでした。また実店舗は調べることに手間暇がかかりすぎると判断し、調査対象外としていました。

そのため、会社として責任を持ってお出しする情報としては不適切だと判断し、2019年の3月に表示の取りやめを行いました。

 

鑑別書について

現在、リカラットSHOPの中には

  • 付属品:宝石e-鑑定書
  • 付属品:リカラット鑑定書

という記載が残ってしまっているページが幾つかあります。

元々この付属品には、宝石の真贋といった「鑑別」の結果だけではなく、市場価格の目安もお伝えするという「査定」の要素が含まれていました。

「鑑定」という言葉が用いられていたのもそれが理由です。

しかしながら上に記載しましたように「市場価格」の表記の取りやめに伴い、付属品には鑑別結果のみを記載するよう変更いたしましたので、このタイミングで「鑑 ”定” 書」ではなく「鑑 ”別” 書」と文言を変更いたしました。

現在では全ての付属品がこの「鑑別書」になりますので、表記を「リカラット鑑別書」に統一いたします。紛らわしい表記をしてしまい、申し訳ございませんでした。

なおダイヤモンドの4C評価を含む「鑑定書」につきましては、リカラットSHOPでは発行を行っておりません。

 

社是について

リカラット社はもともと、リカラットNOWという買取のアプリを主軸の事業として創業した会社でした。

私自身が長く宝石買取業界に身を置く中で、時にお客様を騙してまで買い叩くような現場を目撃してしまったことが何回もあり、「この業界をクリーンにしたい」という思いから会社を興しました。

当時の社是は「中古宝石の売買を公平で透明に」でした。

しかしながらその後リカラットSHOPという「小売」の事業を始め、新品の宝石を仕入れ、販売する中で、宝石業界の課題は中古宝石に限らないことを痛感しました。

2018年の年末にはホームページ上に表記している社是の欄から「中古」の文字を取り、「宝石の売買を公平で透明に」に変更いたしました。

こちらについては本来は会社全体に影響することですので、そのタイミングでしっかりと社内外に向けて説明を行うべきでしたが、その対応がまったくもって不十分でした。

このことが原因で「リカラットSHOPの商品は中古品だ」という誤解を関係者の皆様に与えてしまいました。

大変申し訳ございませんでした。

 

最後に

来月2019年の8月にリカラットSHOPは1周年を迎えますが、急激な売上の拡大に対して社内体制の整備が追いついていなかったこと、また社内外へのコミュニケーションが不十分であったことを、経営者として深く反省しております。

今回のことを契機に、リカラットの目指す「宝石の売買を公平で透明に」を本当に目指す企業として、新たな一歩を踏み出していきたいと考えております。

まだまだ至らない点も多いですが、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

 

2019/07/11

株式会社RECARAT 代表取締役社長 小山慶一郎