ここが知りたい 宝石ルビーのあれこれ

ここが知りたい 宝石ルビーのあれこれ

ピジョンブラッドと呼ばれるものが存在するように、血のような真っ赤な色をした宝石ルビー。太古の時代では、ルビーは出血や炎症を鎮める事にも使用されていました。こちらでは「宝石の王」としても知られる宝石、ルビーについてのお話しをお伝えしていきます。

ルビーの主な産地と種類

ミャンマー(旧ビルマ)産ルビー

最高級ルビーの産地として有名なのはミャンマーのモゴック地方です。

鮮やかな『ピジョンブラッド(鳩の血)』と呼ばれるものや、表面に星状のスター効果を見せる『スタールビー』が採掘されます。質が高い上に産出量が極めて少ないことから、高額で取引されています。

タイ産ルビー

ミャンマーに次いで質の高いルビーが産出されるといわれているのがタイです。

『ビーフブラッド(牛の血)』と呼ばれる黒みがかった濃い赤色のものは高く評価されています。一般的に市場に出回っていますが、品質が良い分高額となります。

*世界でも歴史的に最高品質のルビーを産出しているタイとミャンマーでは、ルビーを国石に選定しています。

スリランカ産ルビー

明るくて透明感があり、ピンクの色味が強い『チェリーピンク』と呼ばれるものや、良質のスタールビーを産出しています。チェリーピンクは市場に多く出回っており、価格もお手頃です。

ルビーにまつわる伝説


7月の誕生石であるルビー。炎が燃える様な赤色は、真夏の焼き付ける熱や太陽そのものを象徴するといわれました。太古の時代から、ルビーは高貴な宝石と称えられ、王侯貴族のみが身に着けることを許されていたのです。

古代インド

古代インドのヒンドゥー教では、ルビーは「宝石の王様」として称えられていました。神話に登場する生命の木には、ルビーの果実が成ると書かれています。

ヒンドゥー寺院には数々の宝石や宝飾品が贈呈されました。「ルビーを着けた神クリシュナを崇拝する者は、将来王様になるであろう」と言われていたほどです。

中国の皇帝

13世紀に書かれたマルコ・ポーロの伝記にも、ルビーは登場します。セイロン(現在のスリランカ)の王様は23㎝ほどもある大きさのルビーを所有していました。それを知ったフビライ・ハン(モンゴル帝国の第五代皇帝であり、中国元朝初代の皇帝)は、巨大なルビーと引き換えに、国全体を手渡すと申し出たそうです。

しかしセイロンの王様は、「皇帝は、世界中の宝物のために名誉を手放すような人物ではないであろう。」と返信したそうです。

ルビーの起源

ルビーは2000年前に蛇が産み落とした3個目の卵から産まれた、と言われる伝説があります。1個目からは世界で最初の王様、2個目からは中国の皇帝、そして3個目からはモゴック地方で発見された最初のルビーが産まれました。

世界で最も有名なルビーは?

サンライズ・ルビー (The Sunrise Ruby)

2015年、サザビーズの競売で史上最高値の約36億円という価格で落札されたルビーです。ミャンマー産のピジョンブラッドで25.59カラットのクッションカット。両サイドにダイヤモンドが配された、豪華な指輪にセッティングされています。

所有者であったカルティエ社が競売にかけ、匿名の人物によりオークション開始後7分で落札されました。

リバティ・ベル・ルビー (The Liberty Bell Ruby)

2百万ドル(約2億2千5百万円)もの価値があると言われるルビーです。原石をベルの形に彫刻したもので、ダイヤモンドが配され、上部には鷹の姿が彫られています。米デラウェア州の宝飾店に保管されていましたが、盗難に遭い現在も所在は不明です。

ロッサ―・リーブス・ルビー (The Rosser Reeves Ruby)

6条のラインを見せるスリランカ産のスタールビーです。138.72カラットという大きさのルビーは、米国の広告代理店幹部ロッサ―・リーブス氏が所有していました。後にスミソニアン博物館に寄贈しています。

まとめ


いかがでしたでしょうか。ルビーは歴史が古く、昔から崇高な宝石として扱われてきました。ルビーの語源はラテン語の「ruber」。かつては赤い石全てをこう呼んでいました。1851年にヴィクトリア女王に贈られた「ティムール・ルビー」は、実はスピネルだったという有名なお話もあるのですよ。

リカラット編集部 監修