硬度3 アンターク | (宝石の国) 28キャラを宝石屋が全力で解説する

出典元:TVアニメ『宝石の国』公式サイト

 

 

(この先一部ネタバレを含みます。3巻までをまだお読みで無い方はご注意ください)

 

 

宝石の国ファンに、「このアニメの一番印象に残ったシーンはどこ?」と聞いたら、かなりの人が

「3巻のアンタークちんが月人にさらわれるシーン!」

と答えることでしょう。砕け散る前に、「先生が寂しくないように冬をたのむ……。」とフォスに微笑むアンタークちん。あぁ思い出しても涙が出てしまいますねwww

無邪気なフォスがだんだん病んでメンヘラな性格になってしまうのは、アンタークを失ってしまったからかも。

そんなサブキャラながら、宝石の国の中でキーパーソンであるアンターク。一体どんな石なのか、今回も宝石屋が全力で解説します。

地球上で3種類しかない「室温で溶ける石」


出典元:https://www.weblio.jp/content/%E5%8D%97%E6%A5%B5%E7%9F%B3

みんなが眠る冬の季節にたった一人で行動するアンターク。宝石の国の中でも孤独な印象が強いキャラクターですが、鉱物の正式名称はアンタークチサイト。別名「南極石」と呼ばれています。

南極石とはその名の通り、1963年に日本の探検家が南極大陸で発見したから。南極大陸のドンファン池で発見されたため、最初は「ドンファン石」として登録申請されたそうです。しかしこの名前はモーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」(主人公はスペイン伝説のプレイボーイ「ドン・ファン」)と同じため却下されたのだとか。(良かったですね!)

室温で溶ける鉱物はかなりレア

宝石の国の中で、「冬しか生きられない」アンターク。
それもそのはず、鉱物アンタークチサイトの最大の特徴は、「室温で溶けてしまう」こと。アンタークチサイトの融点はおよそ25℃。そして硬度は3程度。ガラスのように儚く、手のひらに乗せただけで溶けてしまうのです。

他に地球上で室温で溶けてしまう鉱物は0℃で溶ける氷とー38℃の水銀だけ。そういった意味でもアンタークチサイトは非常にレアな鉱物と言えると思います。

アンタークの特徴とは

宝石の国の中で、アンタークはみんなの眠りを脅かさないように、流氷を黙々と割る仕事をしていました。柔らかくて溶けやすいアンタークは寒ければ寒いほど固くなり、力が発揮できるのでしょう。

酷寒の環境下なら鉱物アンタークチサイトは最大15cmまで大きくなります。無色透明で針状の結晶。アンタークチサイトの見た目は水晶にそっくり。

素手で触れないアンターク

宝石の国の中でも、暖かい季節には生きられないアンターク。
鉱物アンタークチサイトも溶けやすい性質のために、標本屋さんでは小瓶に入って販売されています。

触ると溶けてしまう儚い性質。しかし宝石の国の中で、アンタークは真面目で努力家のキャラクターです。先生にハグされて喜んでいましたが、見た目通り、純粋で無垢な性格なのでしょうね。

低硬度から勇気をとったらなにもない

というアンタークの名言、心に沁みます。

実は簡単!アンタークを作ってみよう♬

南極で発見されたアンタークチサイト。しかし他にもアメリカのカリフォルニア州にあるブリストル湖や、南アフリカ共和国のリンポポ州Driekop鉱山などでも産出されています。なんと火星にもあるとか!

こう書くと、アンタークチサイトは「めったに採掘されない貴重な石」というイメージがありますが、実はとても身近にあります。わたしは東京都在住ですが、雪の日になると、近所の交番でおまわりさんがアンタークを道に振りまいています。

そう、アンタークチサイトの成分は塩化カルシウム。凍結防止に使う融雪剤の成分です。そしてその質量の半分は「水」ですから、つまりは塩化カルシウムと水さえあればアンタークは簡単に作れるのです!

アンタークの作り方

塩化カルシウムはネットで25kgで3,000円くらいで売っています。でもアンタークを作る程度なら、東急ハンズなどでごく少量を購入してください。

アンタークの材料は

・塩化カルシウム:50g

・精製水:50g

たったこれだけ。煮沸した瓶に塩化カルシウムを入れ、精製水を流し込んで瓶を湯せんにかけて溶かします。アンタークチサイトの結晶の変化を楽しみたいなら、精製水の分量をスポイトなどで調節し、濃度を調節して複数作ってみるのも良いでしょう。

その瓶を冷凍庫に入れて冷やします。冷凍庫はだいたいー20℃くらいですから、一晩冷やせば翌日にはアンタークの出来上がり!

瓶の中から取り出すときは、ピンセットを使ってくださいね。室温では溶けやすいので注意してください。

最後に

いかがでしたか。宝石の国の中では、フォスがバラバラになったアンタークの片足だけを形見にして部屋に持ち帰っていましたが、実はアンタークの再生は結構簡単だよ、とフォスに教えてあげたいですね。

標本屋さんでは8,000円くらいの値段で販売されているアンタークですが、手作りならワンコイン程度の値段で作れます。

宝石の国ファンの皆さんも、自分だけのアンターク、是非作ってみてくださいね。

リカラット編集部 監修