ガーネットはグループ名?実はとっても奥が深い1月の誕生石ガーネットのお話

ガーネット ルース

ガーネットといえば赤い宝石だと思っている方、多くないですか?

実は私も昔はそう思っていました。ところが本当は、ガーネットは色も性質もバラエティに富んでいて、奥が深い宝石なんですよ!

しかも、ガーネットとはひとつの石の名前ではなく、グループの名前なんだそうです。

と言われても、それだけではどういうこと?となってしまうかもしれないですね。

そこで今回は、知れば知るほどはまってしまう、ガーネットについてイロイロ紹介したいと思います!

ガーネットとは?

ロードライトガーネット ルース

ガーネットは最も古くから知られている宝石のひとつで、青銅器時代から宝石や研磨剤として使われていました。

5000年前のエジプトでもファラオが赤いガーネットのネックレスをつけていたと記録が残っているようです。

その後も古代ローマで貴重な石として用いられたり、中世では聖職者や貴族に好まれていました。

アールヌーボーやアールデコの時代にもガーネットは重宝されていたといいます。

青銅器時代から現代に至るまでずっと愛されているガーネットは、どのような鉱物なのでしょうか。

鉱物としての基本情報

冒頭でチラッとお伝えしましたが、「ガーネット」とはひとつの石の名前ではなく、化学組織が近い等軸晶系の鉱物のグループ名だそうです。

その化学成分は20種類以上ともいわれています。

多様性をうかがい知ることができますね。

全体としての鉱物情報は次の通りです。

鉱物名  ガーネット
結晶系  等軸晶系
モース硬度  6.5-7.5(※)
屈折率  1.614-1.888(※)
比 重  3.47-4.15(※)

※「モース硬度」「屈折率」「比重」については、種類によって数値が異なります。数値に幅があるのはそのためです。

一般的に、ガーネットとしてよく見かけるものは赤色のものが多いかと思いますが、実際にはあらゆる色のものが存在します

ガーネットグループを大まかに分けると、アルミニウム系ガーネットカルシウム系ガーネットの二つになるといわれ、その中から更にそれぞれ3つずつ枝分かれし、現在宝石として主に扱われているのは6種類だといわれています。

産地

ガーネットは世界中すべての大陸で産出されているそうです。主な産地を種類ごとに見てみましょう。

アルミニウム系ガーネットには「パイロープ」「アルマンディン」「スペサルティン」という種類があり、赤やオレンジ系の色味が強いものが多い印象です。

それぞれの産地は次の通りです。

名 称

化学組成
おもな産地
パイロープ
血のような赤色
Mg3Al2(SiO4)3
 チェコのボヘミア、アメリカ、南アフリカ、オーストラリア、
ブラジル、ミャンマー、タンザニア
アルマンディン
黒っぽい赤色
Fe3Al2(SiO4)3
 東アフリカ、アメリカ、オーストラリア
スペサルティン
橙色、黄色、赤色
Mn3Al2(SiO4)3
 ドイツのスペッサルト地域、ナミビア、ナイジェリア、
スリランカ、マダガスカル、ブラジル、ミャンマー、アメリカ

カルシウム系ガーネットには「グロッシュラー」「アンドラダイト」「ウバロバイト」という種類があり、こちらはグリーンや黄色、褐色系が多い印象でしょうか。

名 称

化学組成
主な産地
グロッシュラー
緑色、無色、黄色
金色、褐色など
Ca3Al2(SiO4)3
 ケニア、タンザニア、南アフリカ、スリランカ、パキスタン、
アフガニスタン、カナダ、メキシコ、イタリア、スイス、ロシア
アンドラダイト
緑色、褐緑色、黄緑色
黒色、黄色など
Ca3Fe2(SiO4)3
 ロシア、イタリア、ドイツ、アメリカ
ウバロバイト
エメラルド色
Ca3Cr2(SiO4)3
 ロシア、南アフリカ、アメリカ、ポーランド

ガーネットの原石の形

ガーネット 原石

ガーネットは原石の状態から様々な色を呈していますが、結晶体ははっきりしているそうです。

ガーネットの結晶体は等軸晶系の「菱形12面体」か「変菱24面体」、またはその組み合わせでできているといわれています。

原石の状態でありながら、まるで研磨したかのようにガラス質の光沢のあるものも多く存在しているのだとか。

名前の意味

グレープガーネット ルース
ガーネットという名前は、中世のラテン語「グラナタス(granatus)」が語源といわれています。

「ザクロ」という果物を表した言葉です。

ザクロを割ると、中にキラキラした赤い実が詰まっていますが、あの色はガーネットそのものですよね。

ガーネットの和名も「ザクロ石」です。

ガーネットには種類ごとに名称があり、それぞれ由来があります。

例えば、赤系ガーネットの中のパイロープはギリシャ語の「pyrōpos」で、「炎のような目」という意味です。

産地の名前がつくものもあります。

明るいオレンジ色が特徴的なスペサルティンは、ドイツのシュペッサルト郡で発見されたことからそう名付けられたといわれています。

ガーネットは1月の誕生石


ガーネットは1月の誕生石です。健康や富、幸福をもたらすといわれています。

私の父も1月生まれです。スリランカにいるとき、父へのお土産にガーネットを買うことにしたんですよ。

グリーン系のガーネットにしようと考えていました。

馴染みの宝石店で、品質の良いグリーン系ガーネットをいくつか見せてもらいました。

最初に気になったのは明るいグリーンのツァボライト。ケニア産ということでした。

でも、せっかくスリランカにいるのだから、スリランカ産のガーネットを買いたくて、いろいろ見せてもらったんです。

それらの中で一番気に入ったのがカラーチェンジガーネットでした。

光によって、深緑色が赤紫色に劇的にチェンジするんですよー!

それで男性用リングを作ってもらいました。

宝石店の人は「この石は、アレキサンドライトと偽って売られることもあるんだよ」と言っていました。

素人目にはどちらか区別ができないので、アレキサンドライトといわれても納得していたかもしれません。。

それにしても、ガーネットには多様な色や性質がありますね。

1月生まれの方は好みの色を選ぶことができてラッキーだと思います!

ガーネットの石言葉

マンダリンガーネット ルース

ガーネットは「真実」「友愛」の象徴と考えられてきました。

親しい人への贈り物に適した石言葉ですね。

ロシアやボヘミア、アラスカなどでは、国を象徴する宝石として大切にされてきたそうです。

インドの占星術では、ガーネットはネガティブな感情をなくし心の平和を保つと伝えられています。宝石にはそれぞれパワーがあると考えられているのですね。

どんな色があるの?

ガーネット ルース

これまでご紹介した通り、ガーネットは赤だけではなく、多様な色調をもっています。

ほぼ全ての色があると言っても過言ではありません。青系の色も希少ですが存在しています。

「ガーネットは暗い赤色の石で、少し地味な感じ」と思い込んでいた私は、スリランカに行ってオレンジやグリーンのガーネットがあることを知り、本当にびっくりしました。

初めてオレンジのガーネットを見た時は衝撃でした。

政府系の土産物店に行ったとき、細いシルバーの土台にオレンジの石がはめられた、数百円の安いリングがありました。

てっきりガラス玉だと思っていたら、本物のガーネットだというのです。

オレンジのガーネットなんて知らなかったので、騙されているとばかり思ってしまいました。

その後宝石店巡りが趣味になり、様々な色のガーネットを知ることができました。

タンザニアでも、とても美しいガーネットを沢山見ることができました。

赤やグリーンで透明度が高く、大粒で照りが良くキラキラしたルースです。

宝石店では様々なガーネットをお勧めしてくれたのですが、当時はタンザナイトにばかり目がいって、ガーネットには興味がありませんでした。

あの時、鮮やかなグリーンのツァボライトを買っておけばよかったと今では後悔しています。

ガーネットの種類

ガーネットの種類

すでにご紹介したように、ガーネットには赤系のアルミニウム・ガーネットと、緑系のカルシウム・ガーネットがあります。

そして、そこからさらに枝分かれして、パイロープ・アルマンディン・スペサルティン・グロッシュラー・アンドラダイト・ウバロバイトの6種類が、宝石として扱われているガーネットであることも、ご紹介しました。

しかしガーネットの種類はそれだけではありません。

いくつかの成分が混ざり合った「固溶体」としての種類もあり、有名なところだと、「ロードライトガーネット」「マラヤガーネット」「マリガーネット」「カラーチェンジガーネット」などがあります。

どの成分が溶け合っているのか、詳細は次の通りです。

名 称 パイローブ アルマンディン スペサルティン グロッシュラー アンドラタイド
ロードライトガーネット
マラヤガーネット
マリガーネット
カラーチェンジガーネット(※)

※カラーチェンジガーネットの多くはパイロープとスペサルティンの固溶体といわれていますが、例外もあります。

他にも珍しい種類のガーネットがありますのでご紹介しましょう。

ミントガーネット

ミントガーネット ルース
ミントガーネットは、グリーン・グロシュラー・ガーネットの淡い色味の石です。

ブラックライトで色が変わる「UVタイプ」のものが多く見られます。

私も実際、タンザニアの宝石店でUVタイプのミントガーネットを見せてもらった事があります。

淡い色合いで照りも良く、ペパーミントキャンディのようなキラキラのルースでした。

ブラックライトを当てると明るいオレンジに変わったので、とても驚いたのを覚えています。

スターガーネット

スターガーネット ルース
カボションカットに研磨した際、宝石の内部にある針状のインクルージョンが光の反射で条線として表面に現れることをスター効果(またはアステリズム効果)といいます。

そして、ガーネットの中でこの現象が起こるものをスターガーネットと呼びます。

スター効果は、ルビーやサファイアなど他の宝石にもよく見られる現象ですが、ルビーやサファイアの場合は6条が多いのに対し、ガーネットの場合は4条が多いといわれています。

とはいえ、ガーネットにも6条が現れるものもあります

これは、ガーネットの針状インクルージョンは結晶が生成された後にできると考えられていますが、特徴として、約110度と約70度の角度で結晶の辺に沿って「三次元的に交差する」といわれており、これに関係しているそうです。

三次元的に交差したインクルージョンは、平面的に見ると2方向に交差しているように見える場合でも、立体的に見ると奥行きをもってもう1方向にも入っていることがあるそうで、それをカボションカットでうまく石取りすると、3方向目のラインが奥に現れ6条のスターが現れることもあるそうなのです!

ただしそれ故に、ガーネットの6条スターはある1方向のスターの線が弱いことが一般的なんだとか。

天然の作り出すアンバランスさもまた宝石の魅力の一つですよねー。

価値が高い種類はどれ?

ツァボライト リング
赤色系のガーネットに比べ、緑色系のガーネットは産出量が少ないこともあり価値が高くなる傾向にあります。

特に深いグリーンが特徴的なデマントイドや、エメラルドのような色をしたツァボライトは希少で、近年人気が上昇していることもあり、価値も上がっているといわれています。

特に3カラット以上のものは珍しいそうです。

それぞれ簡単に説明しましょう。

デマントイドガーネット

デマントイドガーネット ルース
カルシウム系ガーネットである、アンドラダイトの一種となるデマントイドガーネット

深いグリーンと光の分散率が高いことからくる強い輝きが特徴的な宝石です。

また「ホーステイル」と呼ばれるインクルージョンをもつことも特徴の一つですね。

これはロシアのウラル山脈で産出されたデマントイド特有のものといわれ、中心から放射状に広がる線がまるで馬の尻尾のようです。

ホーステールが美しく入ったデマントイドは、さらに価値が高まります

デマントイドガーネットの詳細記事へ

ツァボライト

ツァボライト ルース
一方、ツァボライトは同じグリーン系カルシウムガーネットの中のグロッシュラーガーネットの一種です。

ケニアとタンザニアにある「ツァボ国立公園」で採掘されたことから、ティファニー社によって名付けられたことも有名ですね。

エメラルドに似たグリーンが印象的で、近年人気が上昇している宝石の一つです。

グロッシュラーガーネットには、無色、黄色、褐色などがあり、ツァボライトはクロムとバナジウムが含まれることで緑色に発色すると考えられています。

これはエメラルドの発色要因とも同じらしく、だから色が似ているのかもしれませんね。

ツァボライトの詳細記事へ

お手入れ方法

ロードライトガーネット ペンダント

ガーネットはモース硬度が6.5から7.5です。

ルビーやサファイア、ダイヤモンドよりも低いですね。

他にもガーネットよりも硬度が高い宝石は幾つかありますので、あまり他の宝石と一緒に保管しない方が良いでしょう。

表面に傷がつく恐れがあります。

ピアスやブローチ、ペンダントなどの方が適しているといえますが、硬いものにぶつからないように注意すれば、リングでも大丈夫でしょう。

目立つ汚れを取りたいときは、温かい石鹸水と柔らかい布を使うと良いですよ。

最後に

カラーチェンジガーネット ルース

いかがでしたか。ガーネットは、知れば知るほど奥深いですね。

ガーネットがグループ名だったなんて、驚きました。

我が家には現在、赤とオレンジとカラーチェンジするガーネットがありますが、他にもコレクションしたくなってきました。

今回、ガーネットについて調べたことで、一気にファンになってしまったのです。

知らないことだらけでした。

いつか、ツァボライトかデマントイドが欲しいなーと思っています!

リカラット編集部 監修