忘れられないほどの美しさ カシミールサファイアの魅力とは

私にとって「サファイア」といえば、イギリスのチャールズ皇太子が故ダイアナ妃に贈った婚約指輪が思い浮かびます。

ダイヤモンドが周りに散りばめられた12カラットのサファイアは、なんとも吸い込まれるような深みのあるブルーで、当時幼かった私の目に焼き付かせました。

「サファイア」は、ダイヤモンドやルビーと同じくらい誰もが知っている宝石ではないかと思います。

しかしその世界最高峰といわれるカシミールサファイアについてはいかがでしょうか。

今では殆ど産出されないことから幻のサファイアとまでいわれるカシミールサファイア。

カラットが大きく、高品質のものが市場に出回ることは非常に少ないといわれています。

そんなカシミールサファイアについて色々調べてみましたのでご紹介します!

サファイアとは


カシミールサファイアについてご紹介する前に、まずはサファイアについて簡単におさらいしておきたいと思います。

まずは、鉱物としての基本情報を表にまとめてみましたのでこちらから見ていきましょう。

鉱物としての基本情報

英名Sapphire
和名青玉(鋼玉)
分類酸化鉱物
化学組成Al2O3
結晶系六方晶系
モース硬度9
屈折率1.76 – 1.78
比重3.99 – 4.10
光沢ガラス状

一般的にサファイアといえば、青色の美しい宝石を思い浮かべる方が多いかと思いますが、実はたくさんの色が存在します

コランダムという鉱物に属しており、赤色をルビーと呼び、それ以外は全てサファイアと呼ばれます。

青色以外のものを総称してファンシーサファイアファンシーカラーサファイアなどと呼ぶこともありますね。

青色以外で有名なものは、パパラチアサファイアと呼ばれるもので、オレンジ色とピンク色が混ざったような色をしています。

大変人気が高いことから、ブルーサファイアの次に価値高く扱われるものも多い種類ではないかと思います。

その他にも、グリーンイエローピンクオレンジなど、ない色はないのではといわれる程、多くの色が存在します。

また、一石の中に二色を呈するバイカラーサファイアや変色効果をもつカラーチェンジサファイア、スター効果を現すスターサファイアなどもあり、色々集めて楽しむこともできる宝石です。

モース硬度が9とダイヤモンドに次いで硬く、靭性も高いことからジュエリーとしても楽しめますね。

ブルーサファイアの価値基準

ブルーサファイアの価値を決める一番はです。

色相(色の第一印象)
明度(色の明るさ、または暗さ)
彩度(色の強さ・強度)

の組み合わせで決まってきます。

一般的に、色が鮮やかで、色ムラが少ないほど価値が高くなるといわれています。

ブルーサファイアの中で価値が高いとされるものは、ベルベットのように滑らかで柔らかいブルーをしたコーンフラワーと呼ばれるものと少し紫味を帯びた、ロイヤルブルーと呼ばれるものだといわれています。

また、内包物やキズが少なくカラットが大きいもの、カットが美しいものほど、価値が高く扱われます。

そして、ブルーサファイアの場合、産地によっても価値が異なり、その最高峰といわれるのが今回のテーマであるカシミールサファイアです。

世界最高峰といわれるカシミールサファイアとは?

宝石の原石は、採掘される場所によって透明度色の濃さなど、特徴があるものも多いです。

多くの宝石は、科学的に産地の特定が出来ないことが多く、その特徴があってもその産地のものと言い切れないことも多いのですが、サファイアの場合は異なります。

その宝石のもつ特徴から産地特定が可能なものも多く、そのため産地によって価値が変わる場合もあるのです。

ミャンマー産スリランカ産パイリン産(カンボジアとタイの国境)なども高品質で美しいものが多いといわれています。

しかしブルーサファイアの世界最高峰といえば、何と言ってもカシミール産

大きさやクオリティにも依るものの、価値の高さは別格だといわれています。

カシミールサファイアは、1881年頃インドとパキスタンの国境(ヒマラヤの北西)に位置するカシミール地方標高4000mのところで最初に発見されました

その後、鉱山はカシミールの首都から南東へ向かった標高13,200フィート、傾斜20度の険しい場所であることが分かり、採掘が始まります。

当初は大量に採れたため、青色の水晶と思われ非常に安く取引されていたこともあった(!)そうですが、その後産出量は減り、現在では殆ど採れなくなったといわれています。

カシミールサファイアの特徴

カシミールサファイアは、コーンフラワーブルーと呼ばれる優しい印象のブルーであることに加え、全体あるいは一部分に絹のような光沢があることが特徴だといわれています。

カシミールサファイアの色


際立った美しさをもつカシミールサファイア

その色は、前述したとおり、コーンフラワーブルーと呼ばれる、少し白みがかった、優しく柔らかなブルーをしていることが多いそうです。

ベルベティブルーと呼ばれることもあるようですね。

ちなみに、コーンフラワーとは矢車草のことで、矢車草の色に似ていることからそう名付けられたといわれています。

彩度が高く、上品で落ち着いた色です。

ちなみに、上の画像は、ロサンゼルス自然史博物館所蔵の最高品質のカシミールサファイア。色の濃さと美しさが自然に作られたとは思えない程際立っていると思いませんか。

詳しくはこちらのブログでも紹介しています

カシミールサファイアの値段

 現在は、ほとんど採掘されないこともあり、カシミール産コーンフラワーブルーは、大変高価です。

特に1ct以上の高品質のものは非常に高値で取引されるといわれています。

カラットに依っては、なんと数億円ほどの値段が付くものもあるのだとか。

ちなみに、上の画像の指輪は最高品質の4ctのカシミール産サファイアを使ったAlexander Laut氏デザインのリングで、お値段なんと3億円だそうです。。。

なお、サファイアの中で最も安価なものが多いとされる、オーストラリア産のものとカシミール産では約100倍の価格差がつくものもあるのだとか・・・本当に大きく違うんですね。

カシミールサファイアの鑑別書について


通常、GIAの鑑別書は2つ折りでラミネート加工されたものが多いように思いますが、カシミールサファイアについては、別途料金を支払うと、冊子の状態で発行してくれるそうです。(画像)

通常の鑑別書で発行してもらうこともできるそうですが、別途料金を支払ってでも冊子を作成して欲しいという方もいらっしゃるそうです。

カシミールサファイアが如何に特別かが窺えますよね。

ちなみに カシミール産サファイアは2種類存在するということはご存知でしたでしょうか。

カシミール地方はパキスタンとインドの国境にある地域です。そのため、インド寄りで採掘されたものと、パキスタン寄りで採掘されたものがあるそうです。

価値が高いのはインド寄りのもので、いわゆる「カシミールサファイア」といわれるものもこちらです。

両者の価値は数倍から数十倍違うこともあるそうです。

GIAの産地別付きの鑑別書には両者の違いがきちんと記されているそうです。

向かって右側の「KASHMIR」とだけ書かれている方が価値高く扱われる「カシミールサファイア」です。

コチラの記事でも紹介しています。

最後に


いかがでしたでしょうか?

サファイアの中で最も美しく、希少価値の高いカシミールサファイアについてお話してきました。

カシミールサファイアの産出は、現在ではごくわずかといわれ、市場に出回る数も少ないそうです。

さらに、1ct以上の高品質のものになると、庶民ではなかなか手が出せないような高値になることも多いのですね。

しかし1900年前後は採掘が盛んであったため、オークションハウスなどでみられるアンティークジュエリーの中に、質の高いカシミールサファイアを目にすることができるそうです。

幻のサファイアといわれる、カシミールサファイア。

見る機会があれば、ぜひその魅力に触れてみたいものですね。

リカラット編集部 監修